[spkA]
Kamei, A., Yuasa, T., Orikawa, K., Geng, X.X. and Ikeuchi,
M. (2001) A eukaryotic-type protein kinase SpkA is required for
the normal motility of the unicellular cyanobacterium, Synechocystis
sp. PCC 6803. J. Bacteriol. in press.
PCC株 → ATCC株へ移行するとき、１塩基の挿入変異＝spkAのフレームシフトが起きた。spkAは、Ser/Thr
protein kinaseをコードしており、細胞の運動や光応答に関与すると考えられる。この変異は、現在PCC株とATCC株を識別する唯一の遺伝マーカーである。なお、この変異をATCC株に戻しても、その運動性は回復しないことから、さらに未知の遺伝子の変異も同時に起こっていることが推測される。 →spkAの詳しい解析はこちら
[slr2031]
Katoh, A., Sonoda, M. and Ogawa, T. 1995. A possible role
of 154-base pair nucleotides located upstream of ORF440 on CO2
transport of Synechocystis sp. PCC 6803. In Photosynthesis:
from Light to Biosphere. P. Mathis, ed. (Dordrecht, The Netherlands:
Kluwer Academic Publishers), Vol. III:481-484.
名大の小川らは、PCC株のゲノム上のある領域の154bpがGT株では欠失していることを見いだした。
Kamei, A., Ogawa, T. and Ikeuchi, M. (1998) Identification
of a novel gene (slr2031) involved in high-light resistance
in the cyanobacterium Synechocystis sp. PCC 6803. in Photosynthesis:
Mechanisms and Effects (Garab, G. ed.), pp.2901-2905, Kluwer Academic
Publishers.
154bpが欠失している領域がslr2031遺伝子の翻訳開始領域を含んでおり、その遺伝子破壊がPCC株 → GT株への形質の変化を説明できた。なお、この154bpは、ATCC株では検出できたので、欠失変異はATCC株 → GT株の変化であり、両者を識別する遺伝マーカーである。
[ISY203]
Okamoto, S., Ikeuchi, M. and Ohmori, M. (1999) Experimental analysis
of recently transposed insertion sequences in the cyanobacterium
Synechocystis sp. PCC 6803. DNA Res. 6: 265-273.
全塩基配列が決定された株(かずさ株)に、４個の挿入配列(ISY203ファミリー)が挿入されていることを見いだした。このうち、３個はゲノムDNA上に、他１個はプラスミドDNA上に見いだされた。これらの挿入配列は、すべて同じ塩基配列で、しかもその挿入はPCC株やGT株では起こっていなかった。一方、PCC株、GT株、かずさ株のすべてに、これらの挿入配列と同一の配列が、未知のDNA上に存在することを見いだした。この未知のDNA配列の一部を決定し、ISY203xと命名した。以上の結果は、GT株 → かずさ株に移行するとき、未知の挿入配列ISY203xが活性化され、一度に４回の新規挿入が起こったことを示唆している。このうち、ISY203は、フィトクロム様新規遺伝子を分断するように挿入しており、フィトクロム様ORF(sll1473)とヒスチジンキナーゼ様ORF(sll1475)の偽遺伝子を生じていた。
[pmgA]
Hihara, Y., Sonoike, K. and Ikeuchi, M. (1998) A novel gene, pmgA,
specifically regulates photosystem stoichiometry in the cyanobacterium
Synechocystis sp. PCC 6803 in response to high light. Plant
Physiol. 117: 1205-1216.
Hihara, Y. and Ikeuchi, M. (1997) Mutation in a novel gene required
for photomixotrophic growth leads to enhanced photoautotrophic
growth of Synechocystis sp. PCC 6803. Photosynth. Res.
53: 129-139.
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